7番隊隊長の部屋

今とか未来とか。日記ではない。日記はまた別にあります。

生還……いたしました。

長い間、無言で消えてしまい申し訳ありませんでした。
一応、需要があるかは分かりませんが、いらないかもしれませんが、活動再開です。

http://7sdiary.hatenablog.com/entry/2014/03/22/003228
詳しい事はこちらの日記の方で説明させて頂きました。説明というか、私の回想のようなものですが……






忘れたりしてませんよ。忘れるわけないじゃないですか。

日々 11

ニヤニヤしながらこちらを見ている男をフード越しに伺いながら、私は何度目か分からないため息を噛み殺していた。
人さらいにとっての価値なんて知らないし特に自分の容姿に自信があった訳でもないが、偶然にも高い評価を受けられたのは悪い事ではなかった。警備は多少強固になるだろうが、強い拘束や痛め付けられることも無いだろう。

不意に、男が立ち上がった。何かするのかと思わず体を固くしたが、男は近くの部下に耳打ちしただけで座りなおした。部下は玄関からどこかへ走っていった。
ほどなくして部下は縄に繋がれた青年と共に戻ってきた。青年の顔は長く伸びた赤毛に隠されて見えないが、いい扱いを受けていないのは体の傷を見ればよく分かる。部下は縄を男に渡すと部屋を出ていった。曇ってきたのか、景色が青さを増した気がした。
赤毛の少年も男もしばらく何をするでもなくじっとしていたが、やがて男はおもむろに少年に近づくと立っている彼の腹を蹴り飛ばした。

(!?)

無抵抗の状態で腹を蹴られた少年は当然そのまま床に倒れこむ。激しく咳き込んでいたが、男はそこに更なる暴力を加えた。腹を蹴る、足を蹴る、頭を踏みつける。男の目は血走り、口は倒錯的な快楽に歪んでいた。雲が増えてきたのか、世界は青さを増していく。

(……酷い…………)
少年はもはや痛みに対する反応すらしなくなっていたが、男の暴力はむしろ激しさを増していた。少年の様子や男の力加減を見ればこんなことが毎日のように行われているであろう事は用意に想像できる。気がつけば私は両手に力を入れていた。手錠が軋む音を感じ、怒りを落ち着かせようとする。
(落ち着いて、今飛び出してはいけない)
(何故?あんな男倒してしまえばいい)
(もう人を傷つけたくない。殺してしまうかも)
(じゃあ、あの赤毛の少年を放っておくの?)
(それは………仕方が……)
(別にこそこそ逃げなくても人さらいなんて倒せばいい。そっちの方が彼も他の子供達もこれ以上傷つかないし私にはその力がある)
(………でも………私は武器はもう持たないって)
(それを決めたのは私でしょう?)

少年が傷つく度に世界は青さを増していく。燃え上がる怒りと反比例して思考の温度はどんどん下がっていく。手錠の細い金属が悲鳴をあげる。

(でも……私は…オレは……嫌だ……違う…)

(下らない感情なんて捨ててしまえ。考えろ。今すぐ彼を助けるにはどうすればいい?)

感情が、青い理性に飲み込まれていく。

日々 10

私は考えていた。
人さらい達がここに着いた後に彼らがとる可能性が高い行動は大きく分けて3つだ。
一つ目は、金目の物の捜索を行ってから宿泊するというもの。この場合、昼のうちにわざと捕まり(そのために見つかりやすい所に隠れている)夜の間に逃げ出せばいい。
二つ目は、捜索を行わずに宿泊するというもの。同じく夜の間に子供達を逃がしてしまえば良い。
三つ目は、捜索を行った後すぐに出発してしまうというもの。これが一番面倒で、わざと捕まった後はひたすら逃げられる機会を待つしかない。

男達の声が聞こえる。声は15人分だが、足音はもっと多いようだ。どうやら子供達を働かせているらしい。時折リーダーらしき男が叫んでいる。
「良く探せよ!開かない扉は壊せ!」
「さっさと寝袋持ってこい!」
なるほど。一つ目か。
もう一度フードを深く被り直し、私は近づいて来る足音を待った。


「おい、こんな所にガキが隠れてたぞ!」
そう経たずに上から声が降ってきた。男はカウンターを回り込むと、怯えている(ふりをしている)私の顔を覗きこんだ。
「あー、こりゃあ愛玩用ならかなりの値が付きそうだ。おーい、手錠持ってこい!あ?違う違う、ロープじゃなくて!こいつぁ上玉だぜ、傷付けんな!」
ほどなくして手錠がやって来た。後ろに回した両手にかけられたそれはそれほど頑丈では無さそうだ。力をかければ切れそうだ。

案の定連れていかれたのはリーダーの男の前だった。もちろん私達が捕まった奴とは違うが、雰囲気がどことなく似ていると思うのは私の偏見だろうか。
「ほう、こりゃ確かに売れそうだ。あ、まてまて、そこ置いといてくれねえか?しばらく眺める」
(げっ……)
これは面倒だ、怯えた演技を続けなくてはいけない。気持ち悪い笑顔の男を前に、私はため息をつきたくなるのを必死に抑えていた……。

日々 9

静かで平和な森の中を、数台のトラックがこちらに向かって来ていた。装甲が厚く、鉄格子の窓がついて軍用車にも見えるそれら………しかし私はそれの正体を知っていた。

「何で………何で人さらいがここに!?」

私は一瞬かなりうろたえてしまったが、すぐに持ち直して冷静に考えた。視力も強化された私だから見えた距離だ、私が彼らから気付かれているということはまず無いだろう。彼らがこの図書館に向かっているのは明らかだが、あれだけ距離があれば図書室の生活跡を片付けて隠れる時間は十分取れるだろう。あとは隠れたままやり過ごせばいい。

「…………いい、よね………?」



片付けが終わり、後は隠れるだけなのに私はまだ図書室にいた。別に隠れ場所に悩んでいる訳ではない、私が本気で隠れれば長い間食料や水と一緒に隠れていられる所なんていくらでもある。考えているのは、トラックに閉じ込められているであろう子供達の事だ。
相手がどの程度のものか知らないが、あの頃私が全力で戦えば人さらいなんて簡単に倒せただろう。でも、武器を持たないと決め、平和な暮らしに慣れ始めた今はどうか。

「無理、だろうな………」

量は時として質に勝る。集団で襲われたらほぼ確実に負けるだろう。隠れていた方がずっと良い筈だ。
でも、私はあの中の子供達の変わる前の自分を重ねてしまっていた。きっと子供達はもうすぐ売られてしまうだろう。私のように研究所にということは無いだろうが、奴隷同様に扱われるか、バラバラにされて臓器を売り飛ばされるか………それを許すのは難しかった。


考えていると急にガヤガヤと男の声が聞こえてきて私は飛び上がった。もう隠れる時間はない。私は諦めて、せめてパーカーのフードを深く被るとカウンターの裏に身を潜めた。きつく抱きしめた真っ白い本は、いつもより冷たい気がした。

日々 8

取り立てて変わった事のない日々が過ぎて行った。私は相変わらず毎日本を読んで過ごしており、時々旅人が図書館を訪れる事があっても前の二人組より深く関わるような事は無かった。
私はこの生活を気に入っていた。いつかは出ていかなければならないとはいえ、食料も水もお金も、まだ読んでいない本も充分にあった。ここは静かで平和だし、人もめったに来ない。それに空気も綺麗だし、地震や雷なんかの天災も起こったことはない。1人でいるのが苦痛でない私にしてみれば、これ以上なく恵まれた環境だった。

でも、本当にこれでいいのだろうか?

自分が過去に犯した罪、それを忘れた訳じゃない。最後の、本当に自分でやったことについては反省も後悔もしていないが、もっとそれ以前の………犯す必要の無かった罪達は今でも私の記憶の中で私を責め続けていた。
私がこんな平和な暮らしをしていていいのか?
犯した罪を償う事もせず、なんの苦労もないままに。
そんなことが本当に許されるのか?

答えは求めるまでもなく飛び込んできた。

「………何だろう、あのトラック………?」

日々 7

「じゃあ、私達はそろそろ行くわ。充分休んだし、必要な物も手に入ったし。保存食ありがとうね。」
「まあ、元気でやれよ嬢ちゃん。またどっかであったら、そんときはまた一緒に飯食おうぜ。」
「はい。お食事ありがとうございました。また会えるといいですね。」
何事もなく一週間は過ぎ、彼女達は次の目的地へ旅立って行った。私は扉の陰から手を振り続け、二人が見えなくなると大きなため息をついた。

「やっと行った…………疲れた…。」

やっぱり人と一緒にいるのは精神的に疲れるものだ。私は一人で本を読んでいたい。本は人と違って余計な事を言わないし、意見を変えたりしない。求めたければ勝手に動いたりしないし、求めれば必ず答えてくれる。

「確か、7つの枝シリーズが途中だったっけ……。」

私は図書室に戻る。いちいち宿泊用の部屋にいくのは面倒なので、私は毛布や食料を図書室に持ち込んで1日のほとんどを図書室で過ごすようになっていた(旅人の二人には「まさに本の虫だ」と呆れられた)。

私は毛布の上に座ると本を開いた。何ページの何行目の何文字目まで読んだかはっきり覚えている。ちょうど主人公がレストランに入り、カレーライスかオムライスのどちらを頼むか悩んでいた所だったはずだ。

そして私は読む。読んで、ページをめくって、また読んで、またページをめくる。ページをめくる僅かな時間がもどかしい。行から行へ目を移すその隙間がもどかしい。いつしか私は本を読んでいると言うことも忘れて物語の世界に引き込まれていく。

そうして600ページはあろうかという本を読み終え次の巻に手を伸ばした時には40分が経っていた。読むたびに加速していくのが自分でも分かる。もっと速くなればもっと本を読める。もっと本を読めばもっと速くなれる。そんな風に本は私の日々の生活においてとても重要な部分を占めるようになっていた。

タイトル通り7巻全てを読み終わると、私はしばし余韻に浸った。最後の最後で今までの仲間が集結する、あのシーンはベタだけれど感動的だった。一人一人の台詞が手に取るように思い出せる。

「仲間、かぁ………」

この図書館を飛び出して、あの大都市へ行けばそんな仲間を見つけることが出来るのだろうか?共に戦い、時に励まし、ピンチの時には助けてくれる………


「……無理に決まってるか」


私が理解出来るのは、私を理解出来るのは、彼以外には誰もいないから。

「………次はどれにしようかなー」

それでもまるでそこに誰かがいるように言葉を呟いてしまうのは。


その言葉に答えてくれる、そんな「誰か」が欲しいから?

「自己紹介 あなたへ30の質問」に回答!

自己紹介 あなたへ30の質問

01. みんなから何て呼ばれてる?

「7、セブン、ナナ…………結構多かったですね。」

02. 自分の自慢できるところは?

「……ず、頭脳?でしょうか?」

03. 自分の弱点は?

「基本的に体力が無いこと……………とスフォル。」

04. 自分の口癖は?

「あー、はい、うん。はい。」
「何でもいいからとりあえずやって下さい」

05. 持ってるケータイの機種は?

「XPERIASO-01E」

06. カラオケでよく歌う歌は?

「ボカロ曲全般、主にカゲプロですかね。でも最高点はワールドイズマインで取りました」

07. 過去に似ていると言われたことのある芸能人は?

「いないです」

08. 座右の銘は?

「半信半疑」

09. 将来の夢は?

「小説家になりたいです」

10. ブログをはじめたきっかけは?

「友達がやっていたのとうごメモで書けない小説を書きたかったので」

11. 好きなアニメは?

刀語

12. 好きなゲームは?

セブンスドラゴンシリーズ」

13. 好きな食べ物は?

「酸っぱいものと甘苦いもの。レモン系とか抹茶系とかですね。」

14. 好きな飲み物は?

「紅茶と炭酸全般、紅茶は砂糖とレモンをよく入れます」

15. 好きな動物は?

「両生類と爬虫類ですね。主にヘビとカエルとトカゲ」

16. 好きな色は?

「黒か透明が好きです」

17. 好きな芸能人は?

「最近ガリレオを見て福山雅治さんの演技が好きになりました」

18. 好きなファッションブランドは?

「ファッションにはあまり興味が無いもので…」

19. 好きな雑誌は?

「上に同じです」

20. 好きなスポーツは?

「スポーツ…………水泳、というか泳ぐ事は好きですね。」

21. 昨日晩ご飯に何を食べた?

「グラタンです、マカロニグラタン。」

22. 最近見た夢を教えて!

「最近よく見る夢があってですね、自分の手………………あ、やっぱりやめておきます」

23. 最近読んでおもしろかった本を教えて!

「最近限定ですか………?そうですね、この間告白を図書館で見つけて読んでみたんですけど凄く面白かったです。あと最近は犬とハサミは使いようシリーズにはまっていまして、先週5巻を(自主規制」

24. 最近見ておもしろかったテレビ番組を教えて!

「テレビ………はあまり見ていませんね。やはりガリレオでしょうか。」

25. マイブームを教えて!

「読書するときに本に合った曲を探して聞きながら読む事です」

26. 旅行するとしたらどこに行きたい?

「ヨーロッパ………行ってみたいですね。具体的にはドイツからスイスとリヒテンシュタインを通ってイタリアに行きたいです。」

27. 明日地球が滅びるとしたら何がしたい?

「やりたい事はたくさんあるんですが………普段と同じように過ごすのが一番でしょうね。」

28. 自分を一言で表すと?

「色々末期」

29. 自分の秘密を1つ教えて!

「教えてしまったら秘密になりませんよね?」

30. 次に答えてほしい人をidコールしよう!

どなたでも。友達がやってくれたら嬉しいです。