7番隊隊長の部屋

今とか未来とか。日記ではない。日記はまた別にあります。

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

記憶 8

時制:過去 side:2 (何…何なんだ、これは…) (記憶が…溢れ出してくる…) (頭が…おかしくなりそうだっ…!) (ケイ…!) side:1 ドアの前で異変に気付いた。部屋の中から、うめき声とバサバサという乾いた音が聞こえてくる。乾いた音はスキルで生まれた本…

記憶 7

時制:過去 side:1 目が覚めると、そこは俺の部屋でした。なんて、少し洒落た事を考えてみた。手術室で麻酔をかけられてからの記憶はないから、誰かが運んでくれたのだろう。ふと、頭に鈍い痛みを感じる。大分切ったのだろう、包帯が頭を半分ほど覆っていた…

記憶 6

時制:過去 side:1 ノックの音がした。「7a1、入るぞ。」そう言って入ってきたのは1人の研究所員だった。いつも俺達に手術やらの説明をする男だ。「何の用だ?」 「7a1、お前に人工的にスキルを与える実験台になってもらう。」「分かった。」何の実験か、等…

記憶 5

時制:過去 side:2 「7a2、いるか?」ノックの音とともに、ドアの向こうから声がした。標準的な身長の男性みたいだ。年齢はだいたい25歳といったところか。「いるよ。入れば?」 ドアが開いて入ってきた人物は、概ねオレの予想通りだった。白衣をきているし…

記憶 4

時制:過去 side:1 夜遅く、研究所の中を、俺は今日最後の仕事を終えるために歩いていた。その日にあったこと、全てを報告する。それが、俺の一日の最後を意味する仕事だった。 「入る」 ドアを開けた先には、暗闇。廊下から漏れる光で何者かの姿が浮かび上…