7番隊隊長の部屋

今とか未来とか。日記ではない。日記はまた別にあります。

2013-01-01から1年間の記事一覧

日々 11

ニヤニヤしながらこちらを見ている男をフード越しに伺いながら、私は何度目か分からないため息を噛み殺していた。 人さらいにとっての価値なんて知らないし特に自分の容姿に自信があった訳でもないが、偶然にも高い評価を受けられたのは悪い事ではなかった。…

日々 10

私は考えていた。 人さらい達がここに着いた後に彼らがとる可能性が高い行動は大きく分けて3つだ。 一つ目は、金目の物の捜索を行ってから宿泊するというもの。この場合、昼のうちにわざと捕まり(そのために見つかりやすい所に隠れている)夜の間に逃げ出せ…

日々 9

静かで平和な森の中を、数台のトラックがこちらに向かって来ていた。装甲が厚く、鉄格子の窓がついて軍用車にも見えるそれら………しかし私はそれの正体を知っていた。「何で………何で人さらいがここに!?」私は一瞬かなりうろたえてしまったが、すぐに持ち直し…

日々 8

取り立てて変わった事のない日々が過ぎて行った。私は相変わらず毎日本を読んで過ごしており、時々旅人が図書館を訪れる事があっても前の二人組より深く関わるような事は無かった。 私はこの生活を気に入っていた。いつかは出ていかなければならないとはいえ…

日々 7

「じゃあ、私達はそろそろ行くわ。充分休んだし、必要な物も手に入ったし。保存食ありがとうね。」 「まあ、元気でやれよ嬢ちゃん。またどっかであったら、そんときはまた一緒に飯食おうぜ。」 「はい。お食事ありがとうございました。また会えるといいです…

「自己紹介 あなたへ30の質問」に回答!

「自己紹介 あなたへ30の質問」 01. みんなから何て呼ばれてる? 「7、セブン、ナナ…………結構多かったですね。」 02. 自分の自慢できるところは? 「……ず、頭脳?でしょうか?」 03. 自分の弱点は? 「基本的に体力が無いこと……………とスフォル。」 04. 自分の…

日々 6

そのまま関わらずに一週間経ってくれれば私としては最高だったのだが、彼女たちは見た目通り世間一般的に言えばいい性格をしているらしく、案の定その日の夕食に誘われた。でもまあ、料理をしなくていいのだから断る理由もなく、今は彼女たちが使っている部…

日々 5

図書館へ最初に私以外の人が来たのは、1週間くらいしてからだった。 図書室でミステリーの本を読んでいると、入り口の扉が軋む音、続いて20代前半と思われる女性の声が聞こえた。 「すみませーん、どなたかいらっしゃいますかー?」 私はその声には答えず、…

日々 4

その後、ガラスケースからなんとかして中の本を取りだそうと試みたが、ただのガラスではないらしく、渾身の力をこめて自分の本で殴り付けてもヒビすらはいらなかった。この本はマシンガンで撃ち続けても平気な程丈夫だし、私だってこんな見た目でも大の男を…

日々 3

木製の古びた扉に鍵はかかっておらず、力をこめると軋むような音を立てて開いた。 「うう、暗い…」 扉のすぐ横にあった照明のスイッチらしきものをカチカチしてみたが反応がない。電気は通っているという話だったがどうやらブレーカーが落ちているようだ。 …

日々 2

時制:過去 「図書館、ねえ…」 親切な本屋の店主に教わったとおりに北の森にやって来ると、そこには確かにあった…巨大な洋館が。 「使われなくなってから10年と経ってなさそうだけど…なんか凄いことになってるなあ…」 おそらくきちんと管理されていた頃はなか…

日々

時制:過去 ※記憶シリーズの続きとして読んでください ここはヘルンという小さな村。空想都市ディファインに出入りする人々が中継に滞在する事で成り立っている。ディファインの西に位置しているため、ヘルンの住人は毎朝ディファインの隣にに朝日を拝み、何…

寂寥

時制:現在 注:あくまでフィクションであり実際に起こったことではありません。 「団長の選出方法はどうする?」「やはり選挙が一番だと思います」「いやしかし、それでは隊長などの主要メンバーが有利になってしまうと思う」…… レギオンズΣ会議室。 ギル長…

反省

※随分遅いですが「記憶」の後書きです※後書きの癖に長いので注意 とりあえず、終わりましたが…おかしいな、何で12話もいってるんだろうw最初は4,5話の予定だったのに…あ、これ書く前に一旦見直して年齢表記やそれに関係あるものを消しました。色々と矛盾…

記憶 12

時制:過去 side:1 a2の様子があまりにも今までの物とかけ離れている。あの青い目は一体なんだ?その表情は一体なんだ?問いたい事は山ほどあった。しかし俺が口を開こうとしたら、a2から話しかけてきた。「…私…またやっちゃったな…人殺し。でも…いいんだ。こ…

記憶 11

時制:過去 side:2 (注意:長いです) それからと言うもの、私達は必死だった。でも、a1の記憶している研究所内の情報と私の頭脳を持ってすれば、この研究所から、誰も傷つけないと言う厳しい条件下で脱出する事も不可能じゃないはずだ。そうして私達は研究…

記憶 10

時制:過去 side:1 あの日からナナ…a2は部屋から出なくなった。食事も俺が促さないと取らない。もともと白めの肌は日光に当たらないことで病的なまでに白くなり、背が低い意外は標準的だった体も痩せ細ってしまった。 まあ、無理も無い事だろう。むしろ気が…